Top
子守話43 とべないちょうちょ
たまちゃんがあるいてくると ちょうちょがないていました。
「わたし はねがあるのに とべないの。
 おとうさんも おかあさんも おねえちゃんも おにいちゃんも
 みんな じょうずにとべるのに。
 わたしだけ とべないから ひとりぼっちになっちゃった」

れんしゅうをしてみたら とべるようになるよと たまちゃんはいいました。
けれど はねをどんなにがんばってうごかしても
ちょうちょのからだは うきあがりませんでした。

かみひこうきみたいに いきおいをつけたら
とべるかもしれないと たまちゃんはおもいました。
でも たまちゃんのてからはなれたちょうちょは ぼとっとおっこちて
いたたたたと またないてしまいました。

たまちゃんは ちょうちょに たかいたかいをしてあげました。
それから ちょうちょをかたにのせて すべりだいにのぼりました。
すべりだいのしたにさいている しろいはなのまわりを
ほかのちょうちょが ひらひらととんでいるのが みえました。

たまちゃんは ちょうちょをおうちにつれてかえりました。
2かいのベランダからみおろすと にわをとぶちょうちょたちは
ちいさなてんてんのようでした。

たまちゃんは どこにいくときも ちょうちょといっしょでした。
とうきょうタワーにも いっしょにのぼりました。
こんなにたかいところには どんなちょうちょも のぼってこれないでしょう。

とべないちょうちょは すこしずつ げんきになっていきました。
たかいところにいるときとおなじぐらい
じめんをちょこまかあるいているときも たのしそうでした。

そして あるひ ちょうちょは そらをみあげて いいました。
「とべなくても たのしいことがいっぱいあるって
 たまちゃんが おしえてくれたから
 いまは この とべないはねが きらいじゃないよ」
そのことばをきいて たまちゃんは うれしくて
きもちが ふわりとかるくなりました。
こころに はねがはえたようでした。


◆いまいまさこカフェ日記2009年2月11日(水)はじめてのケータイ小説印税に掲載。
[PR]
by imaicafe | 2009-02-11 16:12 | story