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子守話68「うるさい ごめんなさい」
どうぶつむらに サイくんのかぞくが ひっこしてきました。
サイくんは はずかしがりやですが みんなと すこしずつ なかよくなって 
どうぶつむらが だいすきに なりました。

ところが あるひのこと。
サイくんと いつも いっしょにあそんでいる カバくんが
おもちゃの とりあいになったときに いいました。
「うるさい! うるさい! うるさーい! サイだから うるさーい!
 うるさい サイは あっちいけ!」
カバくんは おもちゃを とりあった いきおいで いったことでした。
「サイだから うるさい」なんて いったのも ふざけて いったことでした。
けれど サイくんは とっても かなしくなりました。
ころんだわけでも ないのに むねのおくが ずきずきと いたくなりました。

そのひから サイくんは だまりこくってしまいました。
カバくんが はなしかけても へんじをしません。
カバくんは じぶんが「うるさい」といったから すねているんだなと おもいました。
けれど あやまるのは おもしろくありません。
「なんだよ ふざけて いっただけなのに。
 ともだちなんだから わらって ゆるしてくれたら いいじゃないか」

ところが カバくんは ゾウくんと あそんでいて こういわれたのです。
「カバくんは バカだねえ。バカが さかだちしたら カバだもんね」
ゾウくんは おもしろがって いったのですが
カバくんは ちっとも おもしろくありませんでした。それどころか
「ゾウくんは ぼくのこと バカだと おもってたんだ」とかなしくなったり
「ぼくって ほんとに バカなのかな」となやんだりしました。
また「バカ」といわれるのが こわくて カバくんは だまりこくってしまいました。

くちを きかなくなった カバくんが うつむいて あるいていると
ドスンと なにかにぶつかりました。
「ごめんなさい!」
とおもわず こえがでて あやまった あいては サイくんでした。
「こっちこそ ごめんなさい」とサイくん。
「だいじょうぶ? ケガはなかった?」
「うん。サイくんも いたくなかった?」
サイくんと カバくんは おたがいを しんぱいする ことばをかけて
「だいじょうぶって きかれると なんだか うれしいね」
「うん。あったかい きもちになるね」とうなずきあいました。
サイくんと カバくんは しばらく だれとも おしゃべりしていなかったので
おしゃべりって やっぱり たのしいなと おもいました。

「こないだは うるさいなんていって ごめんなさい。もういわないよ」
とカバくんは あやまりました。
「ごめんなさいにも サイがついてるけど いわれても イヤじゃないね」
とサイくんは わらって いいました。


◆いまいまさこカフェ日記2009年05月21日(木) 「バカ」と言われて傷つき、「うるさい」と叫ぶ。に掲載。
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by imaicafe | 2009-05-21 15:59 | story