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子守話80「おすしと くるくる」
あるひ パパと ママが たまちゃんに
「くるくる まわる おすしやさんに いこっか」と いいました。
ダンスが だいすきな たまちゃんは
「たのしそう!」と おおよろこびで でかけました。

ところが くるくる まわるのは たまちゃんではなく おすしでした。
すっかり まわるつもりだった たまちゃんは がっかりです。
「ママ おねがい。いっしゅうだけ まわらせて」と おねがいすると
「ちちんぷいぷい。たまちゃん おすしぐらい ちいさくなあれ」と
ママが まほうを かけてくれました。

ちいさくなった たまちゃんを ママは
おやゆびと ひとさしゆびで ひょいと つまんで
まわってきた いなりずしの おさらに のっけました。
「いっしゅうだけ まわったら もどるんだぞ。
 いなりずしの おさらごと ひきあげるから」と パパが いいました。
「はーい。いってきます」と たまちゃんは いくらの つぶより 
ちいさくなった てを ふって しゅっぱつしました。

おさらから ながめる けしきは とても ゆかいです。
「みてみて。おやゆびひめ みたいな おんなのこが のってる!」
いなりずしの よこに ちょこんと たっている たまちゃんを みて
おきゃくさんたちは おおさわぎ。
でも だれも たまちゃんを たべる ゆうきは ありません。
「バイバーイ」と あいさつして 
たまちゃんは つぎの テーブルへ むかいます。
パシャリと しゃしんを とる おにいさん。
「わたしも のりたいよう」と なきだす おんなのこ。
「おにんぎょうの かたちの おすしなんて あったかしら」と
てんいんさんは めを ぱちくりさせました。

あっというまに いっしゅうの たびが おわって 
たまちゃんは パパと ママがいる テーブルに もどってきました。
「たまちゃん さあ おしまいよ」と 
ママが いなりずしの おさらに てを のばしました。
「やだ! もう いっしゅう まわる」と たまちゃんが いうと
「やくそくは やくそくだ」と パパ。
でも くいしんぼの ママは いたずらっこの たまちゃんが いないと
ゆっくり おすしを たべられるので
「じゃあ もう いっしゅうだけね」と ゆるしてくれました。

たまちゃんは おおはりきりで にしゅうめを まわりはじめました。
ところが おきゃくさんは もう びっくりして くれません。
たまちゃんが てを ふっても おすしに むちゅうで しらんかおです。
たまちゃんは ゆかいな きもちが きえて
だんだん こころぼそく なってきました。

ながい ながい にしゅうめが おわって
パパと ママの いる テーブルが みえてくると
たまちゃんは なみだが でそうに なりました。
「パパ ママ ただいま!」
たまちゃんが おおきな こえで いうと
ママが たまちゃんの ほうを みました。
ところが なんということでしょう。ママが てを のばしたのは 
たまちゃんが のっている いなりずしの おさらでは なくて 
その うしろから きた まぐろの おさらだったのです。
パパも あなごの おすしを ほおばるのに いそがしくて 
たまちゃんに きづいて くれません。

ぐずぐずしていると パパと ママの いる テーブルを
とおりすぎてしまいます。
たまちゃんは いなりずしの おさらから ジャンプして
テーブルに もどろうと しましたが
きゅうりまきの きゅうりより みじかい あしでは むりでした。
「パパ ママ さようなら〜」
その こえも パパと ママには とどきません。
たまちゃんの さんしゅうめの たびが はじまりました。

パパと ママが みえなくなると なんだか もう にどと 
パパと ママに あえないような きがして
たまちゃんは なみだが ぽたぽた おちてきました。
「ちいさくなって まわりたい なんて いわなきゃよかった」
「いっしゅうだけで やめとけば よかった」
くやんでも もう ておくれでした。

と そのときです。
めのまえに とつぜん おとしあなが あいて
いなりずしの おさらは あなに おっこちてしまいました。
たまちゃんも いっしょに まっさかさま。
なんしゅうも まわった おすしは すてられて しまうのです。
たまちゃんも ゴミに なってしまうのでしょうか。
そうしたら ほんとうに パパと ママに あえなくなってしまいます。

どうしよう どうしよう どうしよう。

どすんと おすしの ゴミの やまのうえに しりもちを ついた
たまちゃんは びっくりして めを さましました。
あれれ そこは くるくる まわる おすしやさんの なかではなく
たまちゃんの おうちです。
たまちゃんが ベッドから おっこちた おとで
パパと ママも めを さましました。
「どうしたんだい たまちゃん」とパパ。
「こわい ゆめを みたの?」とママ。
たまちゃんは パパと ママに だきついて 
「もう おすしやさんで まわりません」と べそを かきました。


◆いまいまさこカフェ日記2009年06月19日(金) 報酬系とドーパミンと子守話80話に掲載。
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by imaicafe | 2009-06-19 16:27 | story