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子守話110「ドラキュラとあかいチョコレート」ひとりぼっち版
ひとりぼっちの ドラキュラが いました。
ドラキュラの だいこうぶつは にんげんの ちなのですが
なにせ ひとりぼっちなので にんげんの ちを すうことが できません。

だから しかたなく 「ち」のつくたべものや 
あかいろの たべもので がまんしていました。

あるひ ドラキュラは かんがえました。
あかくて 「ち」のつく あかいチョコレートが あったらな。

さっそく ドラキュラは チョコレートを とかして
まっかな いちごを どっさり いれて かためました。
いちごの まんなかに 「ち」がついているのも
ドラキュラには うれしいことでした。

ところが できあがったのは いちごの つぶつぶのついた
ちゃいろい チョコレートでした。
チョコレートの ちゃいろに いちごの あかいろが
まけてしまったのです。

そこで ドラキュラは あかいペンキで チョコレートをぬりました。
こんどは まっかな チョコレートが できました。
でも かじってみると ペンキの あじしかしません。
あかくて 「ち」がつくけれど まずいまずい チョコレートでした。

ドラキュラは かんがえて かんがえて いいことを おもいつきました。
まっかな たいようが しずむ おかの うえで チョコレートを たべたら
チョコレートが ゆうやけの いろに そまって あかくなるぞ。

ドラキュラが おかの うえで あかい ゆうひいろの チョコレートを 
たべていると にんげんの こどもたちが あつまってきました。
「おいしそうな あかい チョコレート ちょうだいな」
こどもたちに ねだられて ドラキュラは しかたなく 
チョコレートを わけてあげました。
ドラキュラは ほんの ひとかけらしか たべられませんでした。

でも ずっと ひとりぼっちだった ドラキュラは
たくさんの こどもたちと たべる その チョコレートが
どんな にんげんの「ち」よりも おいしく おもえました。

しかし かなしいことに ドラキュラは ドラキュラです。
おいしい チョコレートを たべて こどもたちの ほっぺたが
ほんのり あかく そまると もう がまんが できません。

ドラキュラは こどもたちに おそいかかりました。 
ひとりのこらず くびすじに くいつきました。
そして まっかな 「ち」を おもうぞんぶん すいました。
ひさしぶりに あじわう にんげんの 「ち」です。

おいしい おいしい はずでした。
うれしい うれしい はずでした。
でも むちゅうで 「ち」を むさぼった あとで
ドラキュラは おいおい なきました。 

ドラキュラは また ひとりぼっちに なっていました。


◆今井雅子日記2010年03月06日(土) 「ドラキュラだぞ!」進級お祝い会 に掲載。
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by imaicafe | 2010-03-06 01:55 | story